ソファ職人道- ソファと私 阿部 有里 | 国産ソファブランド NOYES
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更新日:2022.04.29

職人さんやショールームスタッフからお仕事のことや様々なエピソードを聞かせてもらう「ソファと私」。前回まではショールームスタッフへのインタビューでしたが、今回から再び職人さんにお話を聞きに行きます。今回お話を聞かせてくださったのは、縫製から開発に担当が変わり、現場研修中の阿部 有里さんです。今のお仕事のことやこれまでのこと、さらにこれから挑戦したいことなど様々なお話を伺いました。担当はNOYESの木村です。

ひとつひとつの作業を大切に

開発中のソファに取り付けるタグの色を確認中

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阿部さんは、今年で職人歴何年目ですか?
阿部
2022年の4月から5年目に入ります。
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5年目になるんですね。長らく縫製を担当されていて、最近になって開発担当に異動になったと伺いました。
阿部
そうなんです。今は現場研修を受けているところで、3月は張りチームの現場研修でした。下張り、接着、張り、検品検査の研修をしていました。
ーー
研修を受けてみて、大変そうだと思ったことはありますか?
阿部
重いものを持ったり体全体を使って作業したりするので、それなりに体力が必要だと思いました。それと、ウレタンの貼り合わせ具合や布の引っ張り具合、タッカーの打ち方など、少しの力加減で仕上がりが変わってしまうところも気をつける必要があります。
ーー
その「力加減」を掴むのが重要なんですね。
阿部
まさに「手」でつくるものなので、手や指先の感覚を掴むのが難しいです。それぞれの工程で気を付けるポイントがたくさんあって大変です。でも、そのひとつひとつが見た目だけでなく耐久性や座り心地にも影響するので大切だと思いました。
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開発のお仕事も同時進行で進めているんですか?
阿部
開発室での仕事としてはVectorworksでの図面の修正や、試作・検証のための羽毛クッション中袋の縫製などをしています。

Vectorworksを使って図面の修正作業

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これまで担当されていた縫製の業務から、別の業務を担当してみて役に立ったなと思うことってありますか?
阿部
縫製品の左右の区別がつきますし、縫製で気を付ける箇所は分かっているので、検品や検査するときに不具合があれば気付けます。

小さい頃からものづくりと関わり続ける

実際に座りながら、感触を確かめる

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阿部さんがソファ職人になるきっかけは何でしたか?
阿部
ものづくりは小さい頃から好きで手芸など色々していたんですが、大学で椅子のリデザインの実習があり、やっぱりものづくりは楽しい!仕事にするならこれがいい!と思ったのがきっかけです。ご縁があってエヌワイ工業に入社することになりました。
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他の職人さんも多くの方が小さい頃からものづくりが好きだとお話しされていました。やっぱり阿部さんもなんですね!縫製を担当されていたころのお話も聞きたいです。縫製をするにあたって、難しいソファってどんなものがありますか?
阿部
縫製は見た目の仕上がりに直接影響するところなので、パーツが多くなれば、縫い方も複雑になります。縫い合わせるだけでなはくて、ステッチをかけたりギャザーを寄せたりパイピングしたりなど色々な縫製の仕方があります。最近新しいシリーズで登場したEterno(エテルノ)シリーズはこれまでと違った縫い方をするものもあり、特にパイピングの肘クッションは難しいなと思います。あとは、本革や合成皮革は滑りにくく縫いにくいものもあって、縫い直すと針穴が残ってしまうので、修正ができない緊張感もあって難しいです。
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一発勝負みたいな感覚なんですね。それは緊張してしまいます…。
阿部
ヌードの縫製はカバーよりも簡単なつくりなので、ミシンを始めたばかりの頃はヌードの縫製をたくさん行い、ミシンを練習していきます。

自作のポーチ!

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縫製をしているとたくさんの生地に触れると思うんですが、好きな生地はありますか?
阿部
MMシリーズです。クリエイターズソファのときに使用した生地ですが、鮮やかな色味が気に入っています。
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阿部さんが2019年にクリエイターズソファを製作されてから3年が経とうとしていますが、クリエイターズソファの製作を通じて考え方に変化があったりしましたか?
阿部
それまで縫製しかやったことがなくて、ソファの内側がどのように作られているのか知らなかったんですが、クリエイターズソファで下張りからの全ての工程を体験させてもらい、ソファの構造がどのようになっているのかを知ることができました。作り方ひとつひとつに理由があってそのような作り方をすると知って、より興味が深くなりました。
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今、もう一度やるなら、どんなソファを作りたいですか?
阿部
2019年のものはスツールだったので、また挑戦できる機会があれば、サイズの大きなものを製作をしてみたいです。
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今年もクリエイターズソファの製作プロジェクトが進行していますが、担当の時田さんになにか一言いただけますか。
阿部
クリエイターズソファはその人なりのこだわりが見られるものなので楽しみです。素敵なものができると期待しています!

いずれは全行程を自分で製作したソファを家に

クッション入れの作業中

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これまでで思い出深いエピソードはありますか?
阿部
クリエイターズソファで製作したpocoが、発売前の先行展示の期間にお客様に購入していただけたことです。試行錯誤して完成させた思い入れのあるものなので、気に入っていただけてとても嬉しかったです。
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最後に、これからの目標や挑戦したいことなど、仕事に対するこれからの意気込みを教えてください!
阿部
張りチームでの研修で基本的なことを教わりましたが、1ヶ月ですべて身につくほど簡単なものではありませんし、上達するには経験を積むしかないので、これからも少しずつ練習して技術を向上させていきたいと思います。いずれは全工程を自分で製作したソファを家に置きたいです。これから開発に携わる中で、縫製で経験を積んだことが活かせることもあるかと思います。開発は会社のこれからを左右するような重要な部署で、社内だけでなく社外の人と関わることも多くなります。責任ある仕事をしていくことを肝に銘じ、精一杯頑張っていきます!

素敵な笑顔でお話ししてくださいました

小さい頃からものづくりが好きで、手芸をよくされていた阿部さん。縫製の技術を活かして、自分用のポーチのみならず、後輩にもポーチを作っていたりするそう。熱心に、そして時に笑顔を見せながら仕事に取り組む姿が印象的でした。研修中でお忙しい中でも、素敵な笑顔でお話ししてくださいました。インタビューにお応えいただきありがとうございます!

ソファ職人 阿部が愛するソファ

Decibel Standard 3人掛け片ひじ

お洒落でコンパクトなソファ
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シンプルなデザインが軽やかで、都会的なイメージを感じさせるGarden。はじめてソファを購入しようと考えていらっしゃる方や、お部屋のアクセントとなるようなソファが欲しいとお考えの方に向けたソファを作るというコンセプトの元、Gardenは作られました。アームレスタイプでありながらも脚下のスペースが十分に空いていることで、ソファ自身に圧迫感を感じることなく、お部屋にも開放的な広がりをもたらしてくれます。

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NOYESでは、ソファ作りの面白さや難しさを共に学び、情熱をもったソファ作りが出来る環境を維持していきたいと考え、国家資格である1級椅子張り技能士の資格を持つソファ職人育成に力を入れております。どうぞ応援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

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